低糖質ドーナツは、小麦粉のかわりに大豆粉とおからパウダーを使い、上白糖をラカントSに置き換えれば焼ける。同じ個数で比べると、1個あたりの糖質は一般的な焼きドーナツの約8分の1まで下がる。型がない場合の代用や、冷めて固くなる失敗の直し方まで、分量と数字で見ていこう。
なぜ市販のドーナツは糖質が高いのか(生地とグレーズの二重構造)
結論から言うと、生地に使う小麦粉(薄力粉)と上白糖、さらに表面にかかるグレーズの3つが糖質源として重なっているからだ。
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、薄力粉は100gあたり糖質約73g。上白糖は100gあたり炭水化物約99.3gで、ほぼ全量が糖質にあたる。一般的な家庭仕様の焼きドーナツ(6個分)を薄力粉120g・上白糖60g・卵1個・牛乳80ml・有塩バター20gで作ると、糖質は薄力粉約87.6g・上白糖約59.6g・牛乳約3.8g・卵約0.2g・バター約0.04gの合計約151.3g。6個で割ると1個あたり約25.2gになる。ここに市販品のような艶のあるグレーズ(粉糖を溶いたもの)がかかれば、糖質はさらに上乗せされる。
糖質を一気にとると血糖値が急上昇し、その反動でインスリンが余った糖を脂肪としてため込みやすくなる。ドーナツそのものが太る原因というより、生地の糖質とグレーズの糖質が同じ1個の中で重なっていることが実際の姿だ。だからこそ、生地の粉と甘味料を数字で見直す価値がある。
低糖質ドーナツは大豆粉とおからパウダーでどれくらい糖質を抑えられるか(材料と分量)
抑えられる。大豆粉とおからパウダーを7:3で混ぜ、上白糖をラカントSに置き換えると、低糖質ドーナツの糖質は1個あたり約3.1gまで下がる。
材料(シリコン製ドーナツ型6個分)は、大豆粉70g・おからパウダー30g・ラカントS(顆粒)60g・卵2個(Mサイズ)・無調整豆乳80ml・溶かし有塩バター20g・ベーキングパウダー小さじ2(約8g)・塩ひとつまみ。大豆粉は100gあたり糖質約19.3g(マルコメ ダイズラボ大豆粉の公表値)、おからパウダーは同約8.7g(カロリーSlismが日本食品標準成分表(八訂)増補2023年をもとに算出した値)で、いずれも薄力粉の約73gより大幅に低い。ラカントSはサラヤ株式会社の公表値で糖類0g・エネルギー0kcal(100gあたり)のため、60g加えても糖質はほぼ増えない。
材料の糖質を合計すると、大豆粉70gで約13.5g・おからパウダー30gで約2.6g・無調整豆乳80mlで約2.3g・卵2個で約0.4g・有塩バター20gで約0.04g・ラカントSは実質0gで、生地全体は約18.9g。6個で割ると1個あたり約3.1gになる。一般的な家庭仕様のドーナツ(約25.2g)と比べると、約8分の1に収まる計算だ。
大豆粉を小麦粉の代わりに使う発想は大豆粉で作る低糖質パンケーキと同じだが、ドーナツは生地の水分量が少なくやや締まった配合になるぶん、おからパウダーを混ぜることでおからパウダーケーキに近いしっとり感を足せる。大豆粉だけ・おからパウダーだけでは食感が偏るため、この記事では両方を使う。
低糖質ドーナツの作り方は?(焼きドーナツの手順と型がない時の代用)
作り方はシンプルだ。粉類・卵・豆乳・バターを混ぜて型に流し、焼くだけでできる。焼きドーナツを主軸にするのは、揚げると油の温度管理が難しく、家庭では再現性が落ちるからだ。
材料(シリコン製ドーナツ型6個分)
- 大豆粉 70g
- おからパウダー 30g
- ラカントS(顆粒) 60g
- 卵 2個(Mサイズ)
- 無調整豆乳 80ml
- 有塩バター 20g(溶かしておく)
- ベーキングパウダー 小さじ2(約8g)
- 塩 ひとつまみ
作り方
- オーブンを170℃に予熱し、ドーナツ型に薄く油(分量外)を塗っておく。
- ボウルに卵を溶き、ラカントS・溶かしバター・無調整豆乳を加えてよく混ぜる。
- 大豆粉・おからパウダー・ベーキングパウダー・塩を合わせてふるい入れ、粉っぽさが残らない程度にゴムベラでさっくり混ぜる。
- 生地を絞り袋(なければ厚手のポリ袋の角を切る)に入れ、型の8分目まで均等に絞り入れる。
- 170℃のオーブンで18分ほど焼く。竹串を刺して生地がついてこなければ完成。粗熱が取れたら型から外す。
型がなければ、マフィン型にグラシンカップやアルミカップを敷いて代用できる。輪の形にはならないが、糖質も焼き上がりの味もほぼ同じだ。マフィン型は生地に厚みが出るぶん火の通りがやや遅く、竹串を刺して確認しながら3〜5分ほど長めに焼くとよい。
低糖質ドーナツが膨らまない・冷めると固くなるのはなぜか(失敗しないコツ)
原因の多くは、大豆粉とおからパウダーが小麦粉と違ってグルテンを含まず、水分の吸収率も違うことにある。
- 膨らみが弱い:大豆粉・おからパウダーはグルテンがない分、気泡を保持しにくい。ベーキングパウダーを小さじ2(約8g)きちんと計量し、生地を型に流したらなるべく早く焼き始めると膨らみやすい。
- 生地がゆるい・逆にパサつく:おからパウダーは製品ごとに吸水性が違うため、豆乳の量は様子を見ながら調整する。ゆるすぎる場合は大豆粉を大さじ1ほど足す。
- 冷めると固くなる:おからパウダーは食物繊維が多く、冷めると生地の水分が抜けやすい。加えてドーナツは中心に穴があり表面積が広いため、パウンドケーキよりも乾燥が早い。粗熱が取れたらすぐ1個ずつラップで包むのが最大の対策で、固くなってしまった場合はトースターで1〜2分軽く温め直すと表面の食感が戻りやすい。
失敗を繰り返すよりも、まずは分量通りに1回焼いてみて、断面の状態を見ながら豆乳の量を次回微調整するのが早い。
低糖質ドーナツはどのくらい保存できるか(作り置きと食品衛生の目安)
卵・乳製品を使う生地のため、常温保存は避け、冷蔵か冷凍で管理するのが基本だ。
粗熱を取ってラップで密封すれば、冷蔵で2〜3日、冷凍なら3週間ほどを目安に保存できる。まとめて焼いて1個ずつラップに包み、冷凍用保存袋に入れておけば、食べたい分だけ自然解凍かトースターで温め直して食べられる。作り置きする場合も、常温に長時間置いたままにしない、解凍したものを再冷凍しない、の2点は守ったほうがいい。トッピングに生クリームを使う場合は日持ちがさらに短くなるため、食べる直前にのせるのがおすすめだ。
市販ドーナツと比べて低糖質ドーナツの糖質はどれくらい低いのか(数値比較表)
比べると差は大きい。低糖質ドーナツは、一般的な焼きドーナツと比べて1個あたりの糖質を8分の1程度に抑えられる。
apps/tool/public/db.jsonにはドーナツ専門店・チェーンの糖質データの掲載が無いため、ここでは実際の材料から算出した一般的な家庭仕様の焼きドーナツを比較の基準にした。
| 項目 | 一般的な焼きドーナツ(Before) | 本レシピ(After) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 生地の主原料 | 薄力粉120g(6個分) | 大豆粉70g+おからパウダー30g(6個分) | 日本食品標準成分表/マルコメ公表値/カロリーSlism算出値 |
| 生地の甘味料 | 上白糖60g(糖質約59.6g) | ラカントS60g(糖質0g) | 日本食品標準成分表/サラヤ公表値 |
| 生地6個分の糖質 | 約151.3g | 約18.9g | 材料の公表値・成分表から算出 |
| 1個あたり糖質 | 約25.2g | 約3.1g | 同上 |
生地だけで比較しても、1個あたりの糖質は約25.2gから約3.1gまで下がる。表面にグレーズをかける市販品と比べれば、差はさらに開く。甘いものを我慢しなくても、粉と甘味料を入れ替えるだけで、糖質を数字で見ながら普通に食べられる。手作りの材料をもっと知りたい人は自炊の糖質早見表も参考にしてほしい。
甘いものを我慢する必要はない。同じ「ドーナツが食べたい」を満たすなら、平日はこの低糖質ドーナツ、たまのご褒美dayは市販品というように使い分ければ続けやすい。大豆粉で作る低糖質パンケーキやおからパウダーケーキと材料をまとめ買いしておけば、気分で焼き分けられる。
まとめ:明日から作れる低糖質ドーナツ
- 大豆粉70g・おからパウダー30g・ラカントSで作ると、低糖質ドーナツは1個あたり糖質約3.1g。小麦粉と上白糖で焼く一般的なドーナツ(約25.2g)の8分の1程度に抑えられる。
- ドーナツ型がなければマフィン型+アルミカップで代用できる。輪の形にはならないが糖質と味はほぼ同じ。焼き時間は3〜5分ほど長めに見る。
- 冷めると固くなりやすいのは大豆粉とおからパウダーの水分保持力が理由。粗熱が取れたらすぐラップで密封し、固くなったらトースターで軽く温め直す。
- 保存は冷蔵2〜3日・冷凍3週間が目安。常温保存は避ける。
甘いものを食べたい気持ちを我慢する必要はない。材料を入れ替えるだけで、糖質を数字で見ながら普通にドーナツが食べられる。低糖質パンケーキやおからパウダーケーキもあわせて試してみてほしい。