低糖質パンは本当に市販の食パンや菓子パンより糖質が低いのか。答えはイエスだが、商品によって差が大きい。食パン(6枚切り1枚)の糖質は約25g、メロンパンなら1個で約46gにもなる一方、ふすまや大豆粉を主原料にする商品はメーカー公表値で1個10g以下のものが多い。同じ「パン1個」でも選び方で糖質は3倍以上変わる。実数値で比較しながら、選び方と朝食・間食への置き換え方を見ていこう。
低糖質パンとは何か?市販の食パンと何が違うのか
低糖質パンとは、小麦粉ではなく小麦ふすま・大豆粉・おからパウダーなどを主原料にして焼いたパンのことを指す。法律で定義された用語ではなく、メーカーが商品ごとに基準を決めて表示している。
一般的な食パンやロールパンは、生地の主原料が小麦粉(薄力粉・強力粉)で、日本食品標準成分表(八訂)によると小麦粉は100gあたり糖質約73g。生地の大半がこの糖質源でできている。一方、このタイプのパンは小麦粉の一部または大半を、糖質が低く食物繊維の多い小麦ふすまや大豆粉に置き換えているため、同じ大きさのパンでも糖質を大きく抑えられる。原材料表示を見て、粉の欄に「小麦粉」より先に「小麦ふすま」「大豆粉」「おから」が来ているかどうかが、低糖質かどうかを見分ける最初のポイントになる。
市販パンは種類によって糖質がどれだけ違うか(実数値比較)
同じ「パン1個」でも、選ぶ種類によって糖質はロールパンとメロンパンで約3.3倍、低糖質パンと比べれば4倍以上変わる。
栄養計算サイト「カロリーSlism」が文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)のデータをもとに算出した値によると、バターロールは1個(30g)で糖質約14.0g、クロワッサンは1個(40g)で約16.8g、食パンは6枚切り1枚(60g)で約25.3g、あんぱんは1個(80.7g)で約38.1g、メロンパンは1個(81.6g)で約45.8gにのぼる。パンの重さがそもそも30g台から82g台までばらつくため、1個あたりの糖質はサイズの影響も受けている。
| 商品 | 目安量 | 糖質(目安) | 出典 |
|---|---|---|---|
| バターロール | 1個・30g | 約14.0g | カロリーSlism(日本食品標準成分表八訂) |
| クロワッサン | 1個・40g | 約16.8g | 同上 |
| 食パン(6枚切り) | 1枚・60g | 約25.3g | 同上 |
| あんぱん | 1個・80.7g | 約38.1g | 同上 |
| メロンパン | 1個・81.6g | 約45.8g | 同上 |
| 低糖質タイプ(KOUBO) | 1個 | 10g以下 | メーカー公表値(商品情報) |
コンビニ・カフェのパンメニューは実際どれくらいの糖質か
カフェのパンメニューも、単品のトーストやサンドイッチで見ると糖質は30〜60g台になる。
コメダ珈琲の「小倉トースト」は糖質60g、「ミックスサンド」は34g(いずれも実測値)。ドトールの「ミラノサンド(ハム&チーズ系)」は30g(実測値)で、こちらも1食で見ると先ほどのメロンパン(約45.8g)に近い水準だ。詳しいメニュー別の数値はコメダ珈琲の糖質早見表とドトールの糖質早見表にまとめてある。
一方で、同じコメダのモーニングでも「ゆで卵(モーニング)」は糖質0.4g、「たっぷりサラダ(ドレ別)」は8gと低い。パンそのものを選ぶか、卵やサラダを中心にしたメニューを選ぶかで、同じ店・同じ時間帯でも糖質は大きく変わる。カフェでモーニングを頼むときは、トーストやサンドの単品よりも、ゆで卵やサラダを付けたセットを選ぶと糖質を抑えやすい。
低糖質パンを選ぶときに見るべき表示のポイントは何か
低糖質パンを選ぶときは「原材料の並び順」と「糖質表示の単位」の2つを必ず確認する。
まず原材料表示で、粉類の欄に「小麦粉」より先に「小麦ふすま」「大豆粉」「おからパウダー」が書かれているかを見る。原材料は使用量の多い順に並ぶ決まりがあるため、先頭に小麦粉が来ている商品は、見た目が茶色くても糖質は通常のパンとそう変わらないことがある。
次に、パッケージの「糖質」表示が100gあたりなのか、1個(1袋)あたりなのかを確認する。今回の比較でも、クロワッサンは100gあたり約42.1gだが実際の1個(40g)では約16.8gと、数字の印象がまったく変わった。パンは商品によって重さが30g台から80g台までばらつくため、100gあたりの表示だけを見比べると、実際に食べる量とズレた判断をしてしまう。必ず「1個あたり」の数字で比較するのが背徳飯式の鉄則だ。あわせて「糖類ゼロ」と「糖質オフ」も別の表示であることを覚えておきたい。糖類は砂糖やブドウ糖など単純な糖だけを指すのに対し、糖質は炭水化物から食物繊維を差し引いた量全体を指す。「糖類ゼロ」でも、使っている粉によっては糖質はそれなりに残っていることがある。
もう一点、常温保存できるかどうかも実用面で差が出る。この手のパンの中にはKOUBOの低糖質ラインナップのように、クロワッサンやパン・オ・ショコラ、カスタードロールが常温で90日ほど日持ちするタイプもある。冷蔵・冷凍が前提の商品より買い置きしやすく、朝に菓子パンを買いに走る習慣ごと置き換えやすい。
朝食・間食のパンを置き換えるなら、何で満腹にすればいいか
菓子パンをやめて低糖質パンに替えるだけでは、タンパク質が足りず物足りなさが残ることがある。代わりに無糖ヨーグルトやゆで卵を1品足して満腹感を補うのが背徳飯式だ。
この手のパンはふすまや大豆粉が主体な分、菓子パンよりタンパク質・脂質の比率が高い商品が多いが、それでも1個だけでは腹持ちが短く感じることがある。そこで、高タンパク無糖ヨーグルト(ダノン オイコス 脂肪0 プレーン砂糖不使用、同シリーズ123gカップでたんぱく質13g・糖質相当の炭水化物約4.4g)を1個添えるか、卵1個(Mサイズ、糖質約0.2g)をゆでて足す。低糖質パン(10g以下)+ゆで卵(約0.2g)+ヨーグルト(約4.4g)を合計しても糖質は14.6g以下で、メロンパン単品(約45.8g)の3分の1以下に収まりながら、タンパク質は卵とヨーグルトだけで約19g上乗せできる。汁物が欲しい日は、卵・ヨーグルトの代わりに無糖のみそ汁や豆乳スープを足しても、咀嚼と満腹感が補える。
| シーン | Before | 糖質 | After | 糖質 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 朝のトースト | 食パン(6枚切り1枚・60g) | 約25.3g | 低糖質タイプ(KOUBO)1個 | 10g以下 | カロリーSlism/メーカー公表値 |
| 朝の菓子パン | メロンパン(1個・81.6g) | 約45.8g | 低糖質タイプ1個+ゆで卵+ヨーグルト | 14.6g以下 | カロリーSlism/日本食品標準成分表/メーカー公表値 |
| カフェのモーニング | コメダ 小倉トースト | 60g | コメダ ゆで卵+たっぷりサラダ | 約8.4g | 当サイトの糖質早見表 |
低糖質マフィンや低糖質スコーンのように家で焼く低糖質マフィンを作り置きする手もあるが、平日の朝で時間がない日は、買って選ぶだけで完結する低糖質パンのほうが続けやすい。休日に時間があれば焼き、平日は買う。どちらか一方に絞らず、日によって使い分ければ無理なく続けられる。
まとめ:明日からできること
- 市販パンは種類でここまで違う。バターロール(1個約14.0g)・クロワッサン(約16.8g)・食パン6枚切り(約25.3g)・あんぱん(約38.1g)・メロンパン(約45.8g)。低糖質パンはメーカー公表値で1個10g以下のものが多い。
- 選ぶときは「原材料の並び順」と「1個あたりの糖質」を見る。小麦粉より先に小麦ふすま・大豆粉が来ているか、100gあたりではなく1個あたりの表示で比べる。
- パンを置き換えるだけで終わらせず、無糖ヨーグルトやゆで卵でタンパク質を足す。低糖質タイプ+卵+ヨーグルトなら糖質14.6g以下で、メロンパン単品の3分の1以下に抑えながら満腹感を保てる。
パンを我慢する必要はない。まずは次に買い物に行くとき、いつものメロンパンや食パンの代わりに低糖質パンを1個カゴに入れてみてほしい。