糖質制限スイーツと聞くと、味を我慢した代用品を思い浮かべるかもしれない。だが純生クリーム(乳脂肪のみ)は100gあたり糖質約3gしかなく、実はご飯や小麦粉よりずっと低糖質な食材だ。甘味料を加えて泡立てるだけでホイップになり、そのまま・クレープ・アイスと3通りの食べ方ができる。数字で見ていこう。
なぜ生クリームは糖質制限スイーツに向いているのか(純生クリームとホイップクリームの違い)
結論から言うと、「無糖の純生クリームか、すでに加糖されたホイップ済み商品か」で糖質が大きく変わるからだ。
純生クリーム(乳脂肪のみ・無糖、パッケージに「クリーム(乳脂肪)」「生クリーム」とだけ書かれているもの)は、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると100gあたりエネルギー404kcal・たんぱく質1.9g・脂質43.0g・糖質(利用可能炭水化物)約2.7g。ほぼ脂質でできていて、糖質はごくわずかしかない。
一方、コンビニやスーパーで「ホイップクリーム」として売られている加糖済みの既製品は、乳脂肪タイプでも植物性脂肪タイプでも糖質は同じ成分表で約13g前後(乳脂肪タイプ12.9g、植物性脂肪タイプ12.9〜13.9g)まで上がる。原材料に砂糖・植物油脂・乳化剤などが並ぶのが特徴で、味付けと泡立てが済んでいる分だけ糖質も加算されている。「動物性か植物性か」ではなく「無糖か加糖か」が糖質を分けるポイント、と覚えておくといい。だから背徳飯式では、原材料が生乳(または乳製品)由来の脂肪分だけで、砂糖が入っていない「純生クリーム」を選ぶ。
生クリームとラカントSでスイーツ用ホイップは作れるか(分量と泡立て方)
作れる。純生クリームに甘味料を加えて泡立てるだけで、市販の加糖ホイップより低糖質なホイップクリームになる。
材料は、純生クリーム(乳脂肪45%程度のもの)100gと、ラカントS(顆粒)大さじ1(約9g)。ラカントSはサラヤ株式会社の公表値で糖類0g・エネルギー0kcal(100gあたり)の甘味料で、加えても糖質はほぼ増えない。つまり材料の糖質はクリーム由来の約2.7gだけで、全量が仕上がっても糖質は約2.7gのままだ。
作り方はシンプルだ。ボウルを氷水にあてて冷やしながら、クリームとラカントSを入れ、ハンドミキサー(または泡立て器)で3〜4分泡立てる。すくったときに角がゆっくり倒れる「八分立て」まで泡立てれば完成。氷水にあてずに常温で泡立てると分離しやすいので注意したい。
脂質は少量でも満足感が出やすい栄養素で、消化に時間がかかる分、腹持ちも良い。甘いものが欲しくなったときに、糖質の高い菓子を我慢するのではなく、この低糖質ホイップに置き換える——これが背徳飯式の糖質制限スイーツの考え方だ。小腹が空いた時間帯の間食には、糖質の低いスナックを別に用意しておくと、クリームスイーツと使い分けがしやすい。
糖質制限スイーツとして生クリームをどう食べればいいか(3つの食べ方)
食べ方は大きく3通りある。①そのまま食べる ②大豆粉のクレープに包む ③冷凍庫で固めてアイス代わりにする、のいずれも数分の手間で作れる。
①そのまま食べる
前項で作った八分立てのホイップを、そのままスプーンですくって食べるだけ。材料の糖質は純生クリーム100gで約2.7g、大さじ1(約15g)なら糖質は0.5g未満。ベリー類を数粒添えても、糖質を大きく増やさずに彩りと酸味を足せる。
②大豆粉のクレープに包む
大豆粉(だいずこ)を使えば、小麦粉より糖質を大きく抑えたクレープ生地が作れる。大豆粉は100gあたり糖質約19g(マルコメ ダイズラボ大豆粉の公表値)で、小麦粉(薄力粉)の約73g(日本食品標準成分表)の4分の1程度しかない。
材料(4枚分)は、大豆粉50g・卵1個(Mサイズ)・無調整豆乳100ml・ラカントS小さじ2(約6g)・塩ひとつまみ。ボウルに全て入れてダマがなくなるまで泡立て器で混ぜ、生地を15分ほど休ませる。フライパンを弱火で熱し、生地の4分の1量を薄く円形に広げ、片面1分30秒、裏返して30秒焼く。
材料の糖質は、大豆粉50gで約9.5g、無調整豆乳100mlで約2.9g、卵1個で約0.2g、ラカントSは実質0g。生地4枚分の合計は約12.6gで、1枚あたり約3g。ここに①のホイップを大さじ2(約20g、糖質約0.5g)包めば、1枚あたりの糖質は約3.7gに収まる。
③冷凍庫で固めてアイス代わりにする
材料は、純生クリーム200gとラカントS大さじ2(約18g)。氷水にあてながら八分立てにし、密閉容器に移して冷凍庫で3〜4時間冷やし固める。1時間ほど経った頃に一度スプーンで底から返しておくと、空気が入って口当たりが滑らかになる。
材料の糖質は、クリーム200gで約5.4g、ラカントSは実質0g。仕上がり量(約218g)全体で糖質約5.4g、100gあたりに換算すると約2.5gほどだ。甘いものが食べたい夜、市販のアイスの代わりにこれを一口分食べれば、糖質を大きく増やさずに満足感を得やすい。
市販のケーキと比べて糖質制限スイーツの糖質はどれくらい低いのか(数値比較表)
比べると差は大きい。市販の洋菓子1個分の糖質を、このクリームスイーツなら7分の1程度に抑えられる。
| スイーツ・食材 | 目安量 | 糖質(目安) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 純生クリーム(乳脂肪・無糖) | 100g | 約3g | 日本食品標準成分表(八訂) |
| 加糖ホイップクリーム(乳脂肪/植物性) | 100g | 約13g | 日本食品標準成分表(八訂) |
| ラカントS(甘味料) | 100g | 実質0g | サラヤ公表値 |
| 大豆粉 | 100g | 約19g | マルコメ ダイズラボ大豆粉 公表値 |
| 薄力粉(参考) | 100g | 約73g | 日本食品標準成分表(八訂) |
| 市販ショートケーキ1個(参考) | 約119g | 約26g | カロリーSlism試算 |
| コメダ珈琲「シロノワール」(参考) | 1皿 | 70g | コメダ珈琲実測値(db.json) |
| 生クリームアイス(本記事レシピ③) | 100g | 約2.5g | 材料の公表値から算出 |
| 大豆粉クレープ1枚+クリーム(本記事レシピ②) | 1枚 | 約3.7g | 材料の公表値から算出 |
外食のスイーツを我慢する必要はないが、頻度を考えるなら数字で見比べておくと選びやすい。コメダ珈琲の食べ方で解説している通り、シロノワールは1皿で糖質70g。詳しいメニュー別の数値はコメダ珈琲の糖質早見表にまとめてある。同じ「甘いものを食べたい」を満たすなら、頻度の高い平日は糖質約3g前後の生クリームスイーツ、たまのご褒美day(週末など)はシロノワールというように使い分ければ、我慢せずに続けやすい。
糖質制限スイーツで注意したいポイントは何か
いくら糖質が低くても、食べ方には気をつけたい点がいくつかある。
- 原材料表示を確認する:「生クリーム」「クリーム(乳脂肪)」とだけ書かれ、砂糖・植物油脂・乳化剤が並んでいないものを選ぶ。「ホイップ」と名のつく加糖済み商品は糖質約13gと高くなりやすい。
- 脂質の摂りすぎに注意する:純生クリームは100gで脂質約43g・404kcalと高カロリーな食材でもある。低糖質だからといって際限なく食べれば、総カロリーは増える。
- 甘味料の摂りすぎに注意する:エリスリトール系の甘味料は多量に摂るとお腹がゆるくなる人もいる。レシピの分量目安を大きく超えて使わない。
- 持病がある人は医師に相談する:糖尿病の治療中、乳製品アレルギーがある人などは、自己判断で大きく食事を変えず、必ず医師に相談する。
糖質制限中の食事全体の考え方はローカーボダイエットとは?、より厳格な制限の仕組みはケトジェニックダイエットとは?でも解説しているので、あわせて読んでおくと、このクリームスイーツをどの頻度で取り入れるか判断しやすい。
まとめ:明日からできること
- 純生クリーム(乳脂肪のみ・無糖)は100gあたり糖質約3g。市販の加糖ホイップ(約13g)より低糖質で、甘味料(ラカントSなど)を加えて泡立てればホイップになる。
- 食べ方は①そのまま ②大豆粉のクレープに包む ③冷凍庫で固めてアイス代わりの3通り。どれも材料の糖質を数字で確認しながら作れる。
- 市販のショートケーキ1個(約26g)やコメダのシロノワール(70g)と比べると、糖質は7分の1程度。甘いものを我慢するのではなく、選び方を変えるだけでいい。
「甘いもの=悪」ではなく、「甘いものの中身を選ぶ」だけでいい。まずは純生クリームとラカントSを買って、そのまま一口から試してみてほしい。