**インスリンとは、すい臓から出る「血糖値を下げるホルモン」**だ。ダイエットの記事を読んでいると必ず出てくるこの言葉。なんとなく聞き流している人が多いけれど、ここを理解すると「なぜ糖質の量が大事なのか」が一気に腑に落ちる。
インスリンとは「血糖値を下げる」ホルモン
インスリンとは、すい臓で作られ、血糖値を下げる役割を持つホルモンだ。ごはんやパン、甘いものを食べると、糖質が消化されて血液中の糖(血糖)が増える。たとえば茶碗1杯のごはん(糖質約55g)を食べると血糖値が上がり、すると、すい臓から インスリン が分泌され、血糖を全身の細胞に取り込ませて、上がった血糖値を下げる。健康な人の血糖値はおおむね空腹時70〜100mg/dLの範囲に保たれており、この調整をインスリンが担っている。
この働き自体は、体を守る大事な仕組みだ。血糖値が高いまま放置されると血管が傷つくため、インスリンは血糖を適切な範囲に戻してくれる。糖尿病はこのインスリンが効きにくくなったり、出にくくなったりする状態を指す。つまりインスリンは、本来「悪者」ではない。
なぜインスリンが「脂肪をためるホルモン」と呼ばれるのか
問題は、細胞が使いきれずに余った糖は、インスリンの働きで脂肪として蓄えられることにある。エネルギーとして消費される量を超えて糖質を摂ると、余剰分は中性脂肪に変えられ、体脂肪としてため込まれていく。
だからインスリンは「脂肪をためるホルモン」とも呼ばれる。糖質をたくさん摂って血糖が大きく上がるほど、インスリンも多く分泌され、体は脂肪をためる方向に傾く。ダイエットでインスリンが重要視されるのは、この一点に尽きる。
糖質を抑えるとインスリンはどう変わるか
逆に言えば、糖質の量をコントロールして血糖の急上昇を抑えれば、余分なインスリンが出にくくなる。血糖がゆるやかにしか上がらなければ、分泌されるインスリンも少なくて済み、脂肪をためる力も弱まる。
これが「背徳飯でも、糖質さえ管理すれば太りにくい」と言える理由だ。同じカロリーでも、糖質が多い食事と少ない食事では、インスリンの出方がまったく違う。たとえば同じ700kcalでも、白米中心の食事とおかず中心の食事では、血糖の上がり方とインスリンの分泌量に大きな差が出る。カロリーだけでなく「糖質の量」を見るべきなのは、このためだ。
だから「何を我慢するか」ではなく「糖質をどう抑えるか」
肉や脂は、糖質に比べて血糖をほとんど上げない。だからインスリンの観点では、牛丼の「ご飯」を減らすほうが、「肉」を我慢するよりずっと効く。脂っこいものを食べたから太る、のではなく、糖質で血糖を急上昇させるから太る——インスリンの仕組みを知ると、ダイエットの優先順位がはっきり変わる。
背徳飯ダイエットが「ご飯の量を変えるだけ」と言うのは、このインスリンの仕組みに根ざしている。具体的な食べ方は牛丼はダイエット中でも食べていいでも数字とともに解説している。
我慢ではなく、仕組みを味方につける。それだけで、好きなものを食べながら痩せる道が見えてくる。