「プロテイン意味ない」説を聞いたことがあるだろうか。食事だけで足りているなら、その通りだ。だが外食中心の生活で実際に計算すると、足りている人と足りていない人の差は大きい。この記事では、すき家・松屋・焼肉店など実店舗の数値をもとに、外食だけで1日何gのタンパク質が積み上がるかを計算し、体重別の目安と比べて自分がどちらに当てはまるかを判断できるようにする。プロテインを無理に勧める記事ではない。
「プロテイン意味ない」説は本当か(結論を先に)
結論から言うと、食事だけで1日の目安量に届いているなら「プロテイン意味ない」説は正しい。届いていないなら、意味を持つ。 個人差が大きい話を、印象論ではなく計算で決着させたほうがいい。
「プロテイン意味ない」と言われる根拠は、タンパク質は肉・魚・卵・大豆製品などふつうの食事にも十分含まれている栄養素だから、というものだ。実際その通りで、プロテインパウダーは魔法の粉ではなく、タンパク質の濃縮された供給源のひとつに過ぎない。肉や魚を十分に食べられているなら、わざわざ追加する理由は薄い。
問題は「十分に食べられているか」を感覚で判断していることにある。丼・麺中心の外食はタンパク質量が具の量に左右されやすく、意識しないと想定より少ない量で終わっていることがある。ここから先は、実際の店の数値で計算していく。
もう一つ、プロテインパウダーと食事の違いとして挙げられるのが消化のスピードだ。ホエイプロテインは液体で吸収が速く、肉や魚のように咀嚼や消化に時間をかけない。この違いは「効率がいい」という利点にはなり得るが、「食事だけでは足りない」ことの証明にはならない。効率の話と、足りているかどうかの話は分けて考える必要がある。
1日に必要なタンパク質量はどれくらいか(体重別の目安)
減量・維持期のタンパク質摂取目安は、体重1kgあたり1.5〜2gだ。 体重が重いほど、必要量も比例して増える。
| 体重 | 目安(下限・1.5g/kg) | 目安(上限・2g/kg) |
|---|---|---|
| 50kg | 75g | 100g |
| 60kg | 90g | 120g |
| 70kg | 105g | 140g |
| 80kg | 120g | 160g |
体重60kgなら90〜120gが目標になる。この数字を覚えておくと、次の外食の計算と比べやすい。
外食中心の1日で、タンパク質は実際何g積み上がるのか
意識せず外食を選ぶと、1日のタンパク質は74g前後に留まることが多い。 実店舗の数値で、ある1日を計算してみる。
| 食事 | メニュー | タンパク質 | 糖質 | カロリー |
|---|---|---|---|---|
| 朝 | ファミリーマート サラダチキン(プレーン) | 20g | 0.3g | 108kcal |
| 昼 | すき家 牛丼(並盛) | 19g | 63.7g | 652kcal |
| 夜 | 焼肉店 カルビ・ハラミ(各100g)+キムチ | 35g | 3.6g | 515kcal |
| 合計 | 74g | 67.6g | 1275kcal |
体重60kgの目安は90〜120g。この日は目安の下限にも16g届いていない。丼のご飯とキムチはあっても、主菜そのものの量が少なかったことが原因だ(すき家の糖質早見表、焼肉店の糖質早見表で他のメニューも確認できる)。
頼み方を変えると、外食だけで何gまで積み上げられるか
同じ3食でも、サイドを1〜2品足すだけでタンパク質は117.6gまで積み上がる。 「足りない」で終わらせず、実際に頼めるメニューで埋めていく。
朝はサラダチキンにゆで卵(ファミリーマート・タンパク質7.6g・糖質0.1g)を追加する。昼はすき家の牛丼(並盛)はそのままに、豚汁(タンパク質5g・糖質7g)と温玉トッピング(タンパク質6g・糖質0.4g)を足す。夜は焼肉店でカルビ・ハラミに加えて、刺身盛り合わせ(タンパク質25g・糖質1g)を追加する。汁物・卵・刺身はどれも噛みごたえや水分があり、量を無理に増やした感覚にはならない。
| 食事 | Before(意識しない日) | After(頼み方を変えた日) |
|---|---|---|
| 朝 | サラダチキン(20g) | サラダチキン+ゆで卵(27.6g) |
| 昼 | 牛丼並盛(19g) | 牛丼並盛+豚汁+温玉(30g) |
| 夜 | カルビ・ハラミ+キムチ(35g) | カルビ・ハラミ+刺身盛り合わせ+キムチ(60g) |
| 合計 | 74g | 117.6g |
体重別に見ると、プロテインが必要かどうかはどう変わるか
体重が軽い人ほど、外食だけで目安に届きやすい。重い人ほど、頼み方を変えても届きにくくなる。 ここが「プロテイン意味ない」説の分かれ目になる。
| 体重 | 1日の目安(1.5〜2g/kg) | 外食(意識しない日) | 外食(頼み方を変えた日) |
|---|---|---|---|
| 50kg | 75〜100g | 74g | 117.6g |
| 60kg | 90〜120g | 74g | 117.6g |
| 70kg | 105〜140g | 74g | 117.6g |
体重50kgの人は、意識しない日でもほぼ目安に届いている。頼み方を変えれば上限も超える。一方、体重70kgの人は意識しない日だと目安の下限にすら30g以上足りず、頼み方を変えてやっと範囲内に収まる。体重が重い人、あるいは体重1kgあたり2gを超える量を狙う人ほど、外食の頼み方だけでは足りない場面が出てくる。この分かれ目を自分の体重に当てはめて計算すれば、プロテイン意味ない説が自分にも当てはまるかどうかが分かる。
それでもプロテインが意味を持つのはどんな人か
外食を変える時間や気力がない日が多い人、食が細い人には、プロテインは意味を持つ。 食事で足りているなら、無理に追加する必要はない。
具体的には、忙しくてサイドメニューを1品足す余裕がない日が続く人、間食が甘いものに偏っている人、松屋や大戸屋のような定食より丼や麺で済ませがちな人などが当てはまる。間食が甘いものに偏りがちな人は、間食をホエイプロテインに置き換える方法がある。ULTORAのようなWPI配合のホエイプロテインなら、シェイク1杯で手軽に上乗せできる(具体的なタンパク質量は商品ごとの公表値を確認してほしい)。外食でタンパク質を積み増す発想そのものは、外食でタンパク質を積み増す食べ方でも扱っている。
逆に、大戸屋のしまほっけの炭火焼き(単品・タンパク質30g・糖質1g)や松屋のチキン定食(ライスなし・タンパク質30g・糖質6g)のように定食を選べる余裕がある人は、食事だけで積み上げるほうが手軽で安上がりだ。間食で満足感がほしい日は、市販品より糖質を抑えられる手作りプロテインバーという選択肢もある。
年齢や体調によっても事情は変わる。食が細くなりがちな人や、加齢で1回の食事量が減ってきた人は、丼の大盛りで量を確保するより、少量で高タンパクな食品やプロテインで補うほうが現実的な場合がある。逆に、体重を増やしたい・筋トレの負荷を上げていきたいという理由で1kgあたり2gを超える量を狙うなら、外食の頼み方の工夫だけでは限界が出やすく、プロテインが選択肢に入ってくる。
タンパク質の摂りすぎで腎臓に負担がかかることを心配する声もあるが、持病がなければ通常の食事量の範囲で健康な人に明確な悪影響が出るとは考えにくいとされる。ただし、腎疾患などの持病がある場合は、タンパク質の摂取量について医師に相談したほうがいい。
まとめ、「プロテイン意味ない」説は計算で決める
- 食事だけで1日の目安(体重1kgあたり1.5〜2g)に届いているなら、「プロテイン意味ない」説はそのまま正しい。
- 外食中心でも、頼み方次第でタンパク質は74g→117.6gまで積み上がる。まずは自分の1日を計算してみる。
- 体重が重い人や忙しい日が続く人など、それでも届かない場合は、間食のプロテイン置き換えなど補助を検討する余地がある。
「プロテイン意味ない」かどうかは、体質や気合いの話ではなく、1日の合計をどう積み上げるかという計算の話だ。まずは今日食べたものを、店の数値で足し算してみてほしい。