「飲み会多いダイエットは無理だ」と思っていないだろうか。結論から言う。飲み会をやめる必要はない。仕事の付き合いで週に2〜3回の飲み会が入り、自分の意思では回数を減らせない人ほど、見直すべきは飲み会の回数ではなく、飲み会がない日の夜の設計のほうだ。この記事では、実際にありがちな飲み会の注文を積み上げ、飲み会多いダイエットがなぜ「無理」ではなく「難しい」で済むのかを数字で示す。
飲み会多いダイエットは本当に無理なのか
無理ではない。飲み会そのものが太る原因ではないからだ。 太る主因は、飲み会の中で選ぶ酒の種類・〆・追加の一品によって、その日の糖質の総量がどう変わるかのほうにある。
血糖値を大きく上げるのは主に糖質だ。糖質を一気にとると血糖が急上昇し、それを下げようとインスリンが働く。インスリンは血中の余った糖を脂肪としてため込む方向にも働くホルモンなので、糖質の総量が多い夜が続くほど、脂肪はたまりやすくなる。逆に言えば、糖質の総量さえ抑えられれば、飲み会の回数自体は問題にならない。
飲み会多いダイエットで挫折しやすいのは、意志が弱いからではない。断れない飲み会が週に何度もある中で、その都度すべてを完璧に選ぼうとする負担が大きすぎるだけだ。次の章で、実際にどれくらいの糖質が積み上がるのかを見ていく。
週3回の飲み会を1ヶ月続けると、糖質はどれくらい積み上がるか
実際にありがちな飲み会1回の注文を積み上げると、〆を頼まなければ糖質は約32g、〆にラーメンを頼むと約94gまで跳ね上がる。
平日の飲み会で誰もが頼みがちな組み合わせを、居酒屋の実数値で並べてみる。乾杯の生ビール中ジョッキ1杯のあとハイボールに切り替え、枝豆・冷奴・キムチ・もつ煮・唐揚げ(3個)を頼む、という現実的な1軒目の注文だ。
| 品目 | 糖質 | タンパク質 |
|---|---|---|
| 生ビール(中ジョッキ350ml・目安) | 約11g | 約1g |
| 枝豆(1人前) | 3g | 8g |
| 冷奴(1丁) | 2g | 7g |
| キムチ | 3g | 2g |
| もつ煮(1人前) | 5g | 12g |
| 唐揚げ(3個) | 8g | 18g |
| ハイボール(350ml)×2杯 | 0g | 0g |
| 合計(〆なし) | 約32g | 約48g |
これならロカボの1食目安(20〜40g)の範囲に収まる。問題は、ここに〆を足したときだ。豚骨ラーメン(並・一般的な店の目安)を追加すると糖質は一気に62g増え、合計は約94gになる。これは1食目安(40g)の2倍以上で、1日の目安の下限(70g)を、この1回の夕食だけですでに超えてしまう水準だ。翌日に響きやすいこの一般的なラーメンの実数値は糖質早見表(ラーメン)でも確認できる。
これを1ヶ月分に積み上げるとどうなるか。週3回・月12回の飲み会のうち、〆を頼まずに済む日が続けば、月の合計は32g×12回で約384g。しかし現実には、盛り上がった夜や小腹が空いた夜に、月4回ほど〆を頼むことも珍しくない。その場合、合計は32g×8回+94g×4回で約632gまで増える。
ロカボの1食目安の上限(40g)を12回ぶん単純計算すると、目安の枠は480gになる。〆なしを徹底できれば384gで枠内に収まるが、月4回〆を頼むだけで632gとなり、枠を152gほど超える計算だ。飲み会そのものではなく、〆をどうするかが、1ヶ月の糖質量を大きく左右している。
飲み会が多いダイエットの管理を難しくしているのは、この「つい〆を頼んでしまう夜」の存在だ。全部を我慢する必要はない。次の章で、〆をつけずに満足するための注文の組み立て方を見ていく。
飲み会の席で実際にありがちな注文をどう組み立てるか
〆を頼まなくても、満足感を減らす必要はない。もう一品をポテトフライにするか、唐揚げとチョレギサラダにするかで、糖質は最大23g変わる。
居酒屋のメニュー表でありがちなのが、枝豆・冷奴・キムチ・もつ煮に加えて、もう一品を追加する場面だ。ここでポテトフライ(35g)を選ぶか、唐揚げ(3個・8g)とチョレギサラダ(4g)を選ぶかで、同じ「もう一品」でも中身がまったく変わる。
| 選択 | 糖質 | タンパク質 |
|---|---|---|
| ポテトフライ | 35g | 3g |
| 唐揚げ(3個)+チョレギサラダ | 12g | 21g |
ポテトフライをやめるだけの引き算では、揚げ物の満足感も、小腹を満たす量も失われる。唐揚げとチョレギサラダに置き換えれば、糖質は23g減らしながら、タンパク質はむしろ18g増える。タンパク質と脂質は血糖値をほとんど上げないため、満腹感を保ちながら〆に手が伸びにくくなる、という効果も期待できる。
飲み会の注文で意識したいのは、「主食級のものを2皿頼まない」という一点だけだ。唐揚げ・もつ煮・キムチ・冷奴・枝豆は、いずれも主菜というよりつまみで、どれだけ組み合わせても糖質は積み上がりにくい。ここに主食(〆や白米)が1つ加わると、そこだけで糖質が跳ね上がる構造になっている。同じ居酒屋メニューの糖質は糖質早見表(焼肉・居酒屋)でも一覧で確認できる。
〆や2軒目で気をつけることは何か
〆のラーメンをやめるなら、代わりにもつ煮か冷奴のおかわりで満たすのが現実的だ。
〆にラーメンやお茶漬けを頼みたくなるのは、酒でゆるんだ空腹感を、温かいもので締めくくりたくなるからだ。ここでいきなり我慢するのではなく、もつ煮(1人前・5g、タンパク質12g)や冷奴(1丁・2g、タンパク質7g)を単品で追加すれば、温かさと満足感を保ったまま、豚骨ラーメン(並・一般的な店の目安)の62gとは大きな差がつく。
2軒目に行く日は、1軒目と同じ注文を繰り返さないことだけ意識すればいい。2軒目でもナムル盛り合わせ(4g)やわかめスープ(2g)のような低糖質の一品を選べば、2軒目だからといって糖質が単純に倍になるわけではない。
酒の種類による差も無視できない。1杯目をビールからハイボールに変えるだけで、350ml換算で糖質は約11g変わる(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年目安)。お酒の種類ごとの詳しい糖質はお酒の糖質を種類別に比較した記事にまとめてあるので、あわせて読んでおくと注文の判断がさらに速くなる。飲酒は20歳になってからで、飲み過ぎには注意したい。
飲み会がない日の夜をどう設計すれば、月の帳尻が合うか
月の糖質量を大きく左右するのは、飲み会がある3日ではなく、飲み会がない残り4日の夜のほうだ。
週3回の飲み会がある人は、逆に言えば週4日は自分で夜ごはんを設計できる。この4日を「疲れたから適当に」外食や間食で埋めてしまうと、せっかく飲み会の注文を工夫しても、月の糖質量はすぐに元に戻ってしまう。
飲み会がない日のために、糖質とタンパク質を調整した食事をあらかじめ用意しておくと、判断力が落ちている日でも自然と糖質を抑えられる。「今日は何を食べるか」を毎晩ゼロから考えるのではなく、選択肢を先に用意しておくのが、根性ではなく仕組みで続けるということだ。冷凍でストックできる糖質・カロリー調整の宅配食を使えば、飲み会がない日の夜を、考えずに低糖質側へ寄せられる。
飲み会に行く前の日は、食べる前のひと手間として、機能性表示食品として「食事に含まれる糖の吸収を抑えて、食後に上がる血糖値を抑える機能が報告されています」という桑の葉由来の商品を使う人もいる。ただし、これはあくまで飲み会の日の追加の工夫であって、対策の中心は飲み会がない日の夜の設計のほうだと考えてほしい。
外食が多い人のダイエットでも触れているとおり、平日の夜を置き換える仕組みは、飲み会の頻度に関わらず効果がある。糖質がほぼゼロの外食を選べる日は、焼肉ダイエットの記事を参考に、その日を糖質の”余白”に使うのも一つの手だ。
まとめ:飲み会が多くても、明日からできること
- 飲み会をやめる必要はない。〆なしなら1回の糖質は約32gで、ロカボの1食目安(20〜40g)に収まる。難しくなるのは〆を頼んだときで、94g前後まで跳ね上がる。
- もう一品は、ポテトフライではなく唐揚げ+チョレギサラダに。糖質を23g減らしながら、タンパク質は18g増やせる。
- 月の糖質量を決めるのは、飲み会がない4日の夜。あらかじめ低糖質の選択肢を用意しておけば、疲れていても自然と糖質を抑えられる。
飲み会多いダイエットは、飲み会を我慢することでは続かない。〆と、飲み会がない日の夜。この2つを設計するだけで、断れない飲み会がある生活のままでも、糖質の総量はコントロールできる。
