外食のメニュー表を見て、カロリーと糖質のどちらを基準に選べばいいか迷ったことはないだろうか。実は同じ店の中でも、カロリーは低いのに糖質は高い、逆に糖質は低いのにカロリーは高いという「逆転」がふつうに起きている。餃子の王将とすき家の実数値でその実例を示し、外食の現場でどちらを先に見て選ぶべきかを解説する。
メニュー表の「カロリー」と「糖質」はなぜズレるのか
カロリーは、糖質・タンパク質・脂質の3つを合算した数値であるのに対し、糖質はそのうちの一つの実数値にすぎない。 だから同じカロリーでも、内訳の配分次第で糖質の量は大きく変わる。
アトウォーター係数でいうと、糖質は1gあたり4kcal、タンパク質も1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalだ。脂質はグラムあたりのカロリーが高いので、脂の多い肉や揚げ物はカロリーの数字だけ膨らみやすい。ただし衣を薄くすれば、そこに含まれる糖質自体はそれほど多くない。逆にご飯・麺・丼つゆのように脂質が少ない食品は、カロリー自体は意外と抑えめでも、糖質のかたまりなので数字が急に跳ね上がる。
この「カロリーは合算・糖質は単体」という構造があるかぎり、カロリーと糖質は必ずしも同じ方向を向かない。むしろ外食チェーンのメニューを見比べると、両者が逆転する組み合わせは珍しくない。
実例1:餃子の王将は炒飯とから揚げでカロリーと糖質が逆転する
餃子の王将の炒飯(小)とから揚げ(6個)を比べると、カロリーと糖質の高低がきれいに入れ替わる。
| メニュー(店) | カロリー | 糖質 | タンパク質 |
|---|---|---|---|
| 炒飯(小)(餃子の王将) | 380kcal | 55g | 8g |
| から揚げ(6個)(餃子の王将) | 520kcal | 20g | 36g |
| まぐろたたき丼(並)(すき家) | 520kcal | 90g | 24g |
| とろ〜り3種チーズ牛丼(並)(すき家) | 718kcal | 65g | 22g |
カロリーだけ見れば、から揚げ(6個)のほうが140kcal高い。だが糖質は炒飯(小)が55g、から揚げ(6個)が20gで、炒飯のほうが35gも多い。「カロリーが低いほうが軽い」と考えて炒飯を選ぶと、実際には糖質を多く摂ることになる。原因は単純で、炒飯はご飯そのものが主役、から揚げは肉と衣が主役だからだ。衣の糖質はわずかで、から揚げの高カロリーの大半は脂質からきている。もっと低糖質のおかずを見たい場合は餃子の王将の糖質一覧【低い順】も参考になる。
実例2:すき家はまぐろたたき丼と3種チーズ牛丼でカロリーと糖質が逆転する
すき家でも同じ逆転が起きる。まぐろたたき丼(並)ととろ〜り3種チーズ牛丼(並)を比べると、カロリーが低いほうが糖質は高い。
まぐろたたき丼(並)は520kcal・糖質90g・タンパク質24g。とろ〜り3種チーズ牛丼(並)は718kcal・糖質65g・タンパク質22gだ。カロリーは3種チーズ牛丼のほうが198kcal高いのに、糖質はまぐろたたき丼のほうが25g多い。「海鮮丼はヘルシー、こってりチーズ牛丼は太る」という直感は、糖質で見ると逆転する。理由は酢飯の量にある。まぐろたたき丼はネタの分だけご飯も多めに盛られており、まぐろ自体の糖質はほぼゼロでも、土台の酢飯の糖質がそのまま乗ってしまう。
同じ傾向は、とりそぼろ丼(並)540kcal・糖質92g・タンパク質20gと、牛カルビ丼(並盛)680kcal・糖質68g・タンパク質21gの組み合わせにも見られる。カロリーが140kcal低いとりそぼろ丼のほうが、糖質は24g多い。丼ものは具の種類にかかわらず、ご飯の量が糖質を決める割合が大きいということだ。他のメニューと比較したい人はすき家の糖質一覧【低い順】、牛丼まわりの頼み方は牛丼ダイエットの記事も参考にしてほしい。
外食の現場ではカロリーと糖質、どちらを先に見るべきか
外食のその場で選ぶなら、糖質を先に見るほうが実践的だ。 理由は2つある。
1つ目は、糖質が血糖値の急上昇(血糖値スパイク)に直結し、食後の眠気や次の食事でのドカ食いという形で、その日のうちに体感として返ってくること。カロリーのオーバーは1〜2週間かけて帳尻を合わせられるが、糖質の急上昇は1食単位で起きる。だから「今この一皿をどう選ぶか」という現場の判断には、糖質のほうが直接効く指標になる。
2つ目は、王将やすき家の例で見た通り、カロリーの高低だけでは実際に何を食べることになるかが読めないこと。カロリーが低いメニューを選んだつもりが、糖質はむしろ高いということが起こりうる。糖質を先に確認すれば、この見落としを防ぎやすい。
ただし、カロリーを軽視していいわけではない。 糖質が低くても、脂質の多いメニューを重ねて総カロリーが大きくオーバーすれば、体脂肪は増える。カロリーと糖質は対立する指標ではなく、役割の違う2つの物差しだ。外食のその場の一皿は糖質で見て、1〜2週間の合計はカロリーで帳尻を合わせる――この役割分担で考えると、どちらも無視せずに済む。
糖質の高いメニューを選ぶときの満腹スワップ
炒飯や丼もののように糖質の高いメニューを選びたい日は、「減らす」だけでなく「足す」をセットにすると、満腹感を保ちながら糖質を抑えやすい。
餃子の王将で炒飯を我慢したくない日は、炒飯をやめて、から揚げ(3個)260kcal・糖質10g・タンパク質18gと餃子(6個)260kcal・糖質20g・タンパク質10gを組み合わせる手がある。合計は520kcal・糖質30g・タンパク質28g。カロリーはから揚げ(6個)単品とほぼ同じ水準に収まりながら、糖質は炒飯(小)の55gからおよそ半分の30gまで下がり、皿数が増える分だけ満腹感も出やすい。
すき家でまぐろたたき丼(並)の量に物足りなさを感じそうな日は、牛皿(並盛)280kcal・糖質11g・タンパク質16gに、温玉60kcal・糖質0.5g・タンパク質5gと豚汁100kcal・糖質7g・タンパク質5gを足す組み合わせがある。合計は440kcal・糖質18.5g・タンパク質26gほどで、丼一杯より糖質は大きく下がるのに、具・卵・汁物と品数が増える分だけ噛む回数と満腹感は落ちにくい。
家でも同じ考え方は使える。麺の糖質だけを大きく削りたいときは、糖質0g麺にスープと具はそのまま乗せれば、糖質をおよそ60g近く落とせる。コンビニで手早く済ませたい日は、サラダチキンなら糖質ほぼ0g・タンパク質約20gで、炒飯やご飯ものを頼んだ日のもう1品として足しやすい。コンビニでの選び方はコンビニダイエットの記事にまとめている。
まとめ:迷ったら糖質、最後の帳尻はカロリー
- カロリーは糖質・タンパク質・脂質の合算値、糖質はそのうちの一つ。だから同じ店の中でも高低が逆転することがある。
- 餃子の王将:炒飯(小)380kcal・糖質55gは、から揚げ(6個)520kcal・糖質20gよりカロリーは低いのに糖質は高い。
- すき家:まぐろたたき丼(並)520kcal・糖質90gは、3種チーズ牛丼(並)718kcal・糖質65gよりカロリーは低いのに糖質は高い。
- 外食のその場は糖質、1〜2週間の合計はカロリーで見ると、両方を無視せずに選べる。
- 糖質の高いメニューを選ぶ日は、「減らす」だけでなく低糖質のおかずや汁物を「足す」とセットで考える。
カロリーと糖質、どちらか一方を絶対視する必要はない。メニュー表の前で迷ったら、まず糖質を見て、1〜2週間の合計でカロリーの帳尻を合わせる。それくらいの割り切りで、外食は十分続けられる。